リモートワークや出張、展示会やイベント運営など、オフィスの外で安定した通信環境を必要とするシーンは年々増えています。こうした場面で注目されているのが「クラウドWiFiルーター」です。
従来のモバイルルーターと異なり、SIMカードの差し替えや契約の手間がなく、国内外の複数キャリア回線に自動で接続できるのが特徴です。
その中でも導入が進んでいる端末が 「NA02」とされています。法人の利用シーンに合わせて設計されたクラウドWiFiルーターで、従来モデル(NA01)と比べて通信速度や安定性が強化され、使いやすさも向上しています。
本記事では、実際に端末を利用した際の通信速度の計測結果も交えながら、「NA02」の特徴・メリット・注意点を法人利用の視点から徹底解説します。
クラウドWiFiルーター NA02とは?
クラウドWiFiルーター「NA02」は、GlocalnetなどのクラウドSIMサービスで採用されている最新モデルのモバイルルーターです。
SIMカードを差し替える必要がなく、クラウド上でSIM情報を切り替える仕組みによって、国内主要3キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の回線を自動的に選択します。出張先や地方、イベント会場などでも安定して通信できるのが大きな特徴です。

Glocalnet NA02の同梱物。USBケーブルと取扱説明書が付属しています
NA02の特徴とスペック
クラウドWiFiルーター「NA02」は、従来モデル(NA01)から性能面で大きく進化しています。
特に通信速度と安定性の向上、持ち運びやすいデザイン、そして法人利用を意識した機能バランスが強みです。
主なスペック一覧
項目 | NA02 |
---|---|
通信速度 | 下り最大390Mbps / 上り最大150Mbps |
Wi-Fi規格 | 2.4GHz / 5GHz 対応 |
チップセット | Qualcomm QCM2290 |
ディスプレイ | 2.0インチ IPS液晶 |
バッテリー | 3500mAh / 最大12時間 |
重量 | 約128g |
同時接続台数 | 最大10台 |
SIMスロット | 1 Nano SIM(クラウドSIM対応) |
出典:glocalnet.jp
〇高速通信に対応(下り最大390Mbps)
従来のNA01が下り150Mbpsだったのに対し、NA02は最大390Mbpsと約2.6倍の速度に進化しています。オンライン会議や大容量データの送受信でも安定したパフォーマンスを発揮します。
〇5GHz帯対応で混雑時も安定
Wi-Fi規格は2.4GHzに加えて5GHzにも対応しています。展示会場やオフィスのように多くのデバイスが同時接続する環境でも、通信が途切れにくいのが強みです。
〇コンパクト&軽量設計(128g)
本体重量は128gと、スマホよりも軽いサイズ感です。持ち運びやすさが向上しており、営業や出張先での利用に適しています。
〇最大10台まで同時接続
ノートPCやスマホ、タブレットを同時に利用可能です。小規模なチームでの現場作業や、イベントブースでの利用にも対応できます。
〇バッテリーは最大12時間稼働
3500mAhのバッテリーを搭載し、1日外出しても安心。長時間の会議や出張でもモバイルバッテリーと組み合わせれば十分対応可能です。

NA01(上)とNA02(下)の比較。NA02は軽量化・通信速度強化がされています
実際に計測した通信速度を検証
クラウドWiFiルーターを導入する際、もっとも気になるのが「実際の通信速度」です。スペック表に記載された「下り最大390Mbps」という数値は理論値であり、利用環境や時間帯によって実測値は変動します。
本記事では、NA02を実際に利用して速度を計測してみました。
平均値(全体的な目安)
・上り平均:4.57Mbps
・下り平均:10.03Mbps
・Ping値平均:50.33ms
PCでの計測例
・上り平均:11.39Mbps
・下り平均:16.3Mbps
・Ping値平均:29.9ms
スマホでの計測例
・上り平均:13.92Mbps
・下り平均:25.85Mbps
・Ping値平均:35.0ms
※通信速度は「みんそく」を利用し、東京都千代田区で計測した結果です。利用環境や時間帯により変動します。
上記の結果から分かるように、NA02の実測速度は利用環境によって差があるものの、Web会議やクラウドサービスの利用、メールやチャットなどのビジネス用途には十分対応できる水準です。
大容量のファイル転送や高画質動画のアップロードなどでは速度のばらつきが影響する場面もあります。そのため、安定した通信を求める場合は、有線回線との併用を検討すると安心です。
総じて、NA02は「持ち運びやすさ」「設定不要」「複数キャリア対応」という強みとあわせ、法人利用に適した実用的な通信速度を提供できる端末といえるでしょう。
現場で役立つNA02の手軽さ
NA02の魅力は、単なる通信速度やスペックだけではありません。
実際に使ってみると、「すぐにつながる」「持ち運びがラク」「現場で複数人とシェアできる」といった現場で感じる手軽さが大きな強みだと分かります。法人利用では、スタッフが迷わず扱えるかどうかが導入判断のポイントになるため、この“手軽さ”は大きなメリットといえるでしょう。
電源を入れるだけですぐ接続
NA02はクラウドSIMに対応しているため、複雑な初期設定は不要です。
電源を入れるだけで自動的に最適な回線を選択し、すぐにインターネットに接続できます。現場で急にWiFiが必要になった場合でも、迷わず使える安心感があります。

起動から接続完了までおよそ15秒。現場でもストレスなく使える速さです
軽量コンパクトで持ち運びやすい
本体は約128gとスマートフォンよりも軽量で、従来モデルのNA01(約148g)から約20gの軽量化が実現されています。営業での外回りやイベント設営時にはポケットに入れても負担にならず、出張先でもバッグの隅に入れて持ち運べるサイズ感です。
小規模チームでシェアできる
1つの端末につき最大10台まで同時接続可能です。さらに、2.4GHzと5GHzのデュアルバンドに対応しているため、接続する端末が多い環境でも通信の混雑を避けやすく、安定したWiFi利用が可能です。
現場スタッフがそれぞれのPCやスマホを接続しても問題なく利用でき、ちょっとした臨時オフィスや展示会ブースなどでも安心して活用できます。
画面が見やすく安心
IPSディスプレイを搭載しているため、従来よりも視野角が広く、画面が見やすくなっています。
接続状況やデータ残量などもクリアに表示されるため、現場で端末を手に持つ角度が変わってもスムーズに確認できます。
法人利用で安心できるNA02の安定性
通信速度の数値だけでなく、どんな仕組みで安定した接続を実現しているのかも導入判断では重要です。NA02はクラウドSIMを活用したキャリア自動切替や、2.4GHz/5GHzのデュアルバンド対応など、複数の技術的な強みを備えています。
クラウドSIMによるキャリア自動切替
NA02は「クラウドSIM技術」を搭載しており、物理的なSIMカードを差し替える必要がありません。
サーバー側でSIM情報を管理し、利用場所に応じて最適なキャリア回線に自動接続できる仕組みです。
これにより、ドコモ・au・ソフトバンクといった国内主要キャリアの回線を切り替えながら利用でき、特定キャリアが混雑しているエリアでも接続が維持されやすくなります。
2.4GHz/5GHzデュアルバンド対応
従来モデル(NA01)は2.4GHzのみ対応でしたが、NA02では5GHz帯にも対応しています。
・2.4GHz:障害物に強く、広範囲をカバーできる
・5GHz:電波干渉が少なく、混雑エリアでも高速・安定した通信が可能
端末のメニュー画面からワンタッチで2.4GHzと5GHzを切り替え可能です。そのため、利用環境に応じて最適な帯域をすぐに選択できます。
最新チップセット「Qualcomm QCM2290」搭載
NA02にはQualcomm製のQCM2290チップセットが搭載されています。
≪QM215 と QCM2290 の主な違い≫
カテゴリ | Qualcomm QCM2290 | Qualcomm QM215 (Snapdragon 215) | 主な違い |
---|---|---|---|
プロセスノード | 11 nm | 28 nm | QCM2290 がより微細で、電力効率が向上(消費電力低減) |
CPU | – 4x Arm Cortex-A53 (64-bit) – 最大クロック: 2.0 GHz | – 4x Arm Cortex-A53 (64-bit) – 最大クロック: 1.3 GHz | QCM2290のクロックが約54%高く、タスクやアプリ処理で優位。 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac (1×1, 2.4/5 GHz 対応) | 802.11 b/g/n (2.4 GHz のみ) | QCM2290がWi-Fi 5 (ac) 対応で高速・安定性向上。QM215 は旧規格で帯域制限。 |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 4.2 | QCM2290が新バージョンで、低消費電力・長距離接続が可能。 |
メモリサポート | – LPDDR4x @ 1804 MHz (2×16 bit, dual-channel) – LPDDR3 @ 933 MHz (1×32 bit) | – LPDDR3 @ 672-933 MHz (single-channel) | QCM2290は帯域が約2-3倍広大。QM215 は低速でマルチタスクに弱い。 |
出典:クアルコム
NA01に搭載されているQM215チップと比べて処理性能や電力効率が向上しており、長時間利用や複数端末の同時接続時でも安定した通信を支えます。
法人利用では「会議中に接続が途切れない」「データ送受信が止まらない」といった信頼性につながります。
NA02を利用する際のデメリットと注意点
NA02はクラウドWiFiルーターとして高い性能と使いやすさを備えていますが、もちろん万能というわけではありません。
法人での導入を検討する際には、事前に押さえておくべきデメリットや制約も存在します。ここでは、実際に利用する上で注意すべきポイントを整理して解説します。
5G非対応であること
NA02は4G LTE専用モデルで、次世代通信規格である5Gには非対応です。
現在の業務利用では十分な速度と安定性を持ちますが、今後5Gの高速大容量通信や低遅延を前提としたアプリケーションを導入する場合には、性能面での限界が出る可能性があります。
バッテリー持続時間は最大12時間
3500mAhのバッテリーを搭載し、公称で最大12時間稼働が可能です。
ただし実際には接続台数や利用環境によって稼働時間が短くなるケースもあります。出張やイベントで長時間利用する際は、モバイルバッテリーを用意しておくと安心です。
キャリアを固定できない
クラウドSIMの仕組みにより、自動で最適なキャリアを選んで接続してくれる反面、ユーザーが特定キャリアを手動で指定することはできません。特定のキャリアで通信状況をテストしたい場合や、社内契約に基づいた回線利用を求める場合には制約となります。
これらのデメリットや制約は、導入後に気づくと業務に支障をきたす可能性があります。法人で利用する場合は、必ず事前に確認し、自社の利用環境や業務内容に合致しているかどうかを検討することが不可欠です。
法人利用での活用シーン
NA02は通信速度や安定性に優れているだけでなく、実際の業務シーンでどのように役立つかが重要です。ここでは、営業や出張、展示会、工事現場などといった法人利用の現場での活用例を、具体的なシーンと得られる効果に分けて紹介します。
営業・出張
- 訪問準備
クラウド資料を事前にダウンロード → 準備時間の短縮・資料忘れ防止 - 商談中
安定した回線でオンライン提案資料を共有 → 商談スピードの向上 - 商談後
出先から報告書を即時アップロード → 業務のタイムロス削減
出張や外回りでもオフィスと同等の通信環境を確保でき、商談の質を落とさずに営業効率を高められます。
展示会・イベント運営
- 会場スタッフ間連携
5GHz帯を活用し混雑下でも安定通信 → 顧客対応のスムーズ化
- 来場者データ入力
タブレットで即時入力 → 顧客データの取りこぼし防止
- 会場報告
現場写真を即時共有 → 運営本部への迅速な報告
混雑環境でも安定した接続を確保でき、顧客対応から事後フォローまで効率化します。イベント全体の運営品質が向上します。
工事現場・臨時オフィス
- 固定回線なしでも即利用
電源を入れるだけで接続 → 回線工事不要で即日導入
- 複数人での利用
最大10台同時接続 → 現場スタッフ全員がオンライン利用可能
- データ共有
写真・報告書をその場で送信 → 進捗確認と意思決定が迅速化
短期プロジェクトや建設現場などでも安定した通信を確保し、情報共有のスピードが格段に上がります。
営業や出張、展示会、工事現場などといった幅広いシーンでNA02は実用性を発揮します。利用環境を選ばず安定した通信を確保できる点は、法人にとって大きな安心材料です。導入すれば現場での業務効率化や対応力の強化につながる可能性が高いでしょう。
よくある質問|クラウドWiFiルーター NA02導入
ここでは、クラウドWiFiルーター「NA02」を法人で導入する際によく寄せられる質問を取り上げ、実際の利用シーンを踏まえて分かりやすく解説します。
Q. NA02はどのくらいの速度が出ますか?
A. 環境によりますが、下り平均10〜25Mbps程度で、ビジネス利用には十分な速度です。
Web会議、クラウド資料の閲覧、メールやチャットといった日常業務には支障のない水準です。ただし大容量ファイルのアップロードや高画質動画配信などでは、環境により速度のばらつきが出る場合があります。
Q. 最大で何台まで接続できますか?
A. 最大10台まで同時接続可能です。
小規模チームでの現場利用や、展示会ブースなどで複数端末を接続する場合にも十分対応できます。2.4GHzと5GHzを簡単に切り替えられるため、混雑環境でも安定した利用が可能です。
Q. バッテリーはどのくらい持ちますか?
A. 最大12時間の連続利用が可能です。
営業や出張、イベントでの利用には十分対応できますが、長時間利用する場合はモバイルバッテリーを併用すると安心です。
Q. NA01との違いは何ですか?
A. NA02は軽量化(約20g減)と5GHz対応、チップ性能強化で安定性が向上しています。
従来モデルNA01に比べ、NA02は持ち運びやすく、混雑環境でも安定した通信を確保しやすい設計になっています。Qualcomm QCM2290チップを搭載し、処理性能も強化されています。
Q. 海外でも利用できますか?
A. はい。クラウドSIM対応により現地キャリアに自動接続できます。
渡航先でSIMを購入する必要がなく、電源を入れるだけでインターネットに接続可能です。短期の海外出張や現地法人での利用に適しています。
Q. 5Gには対応していますか?
A. いいえ。4G LTE専用モデルです。
現状のビジネス利用には十分ですが、将来的に5Gを前提としたシステムを導入する予定がある場合には注意が必要です。
まとめ
NA02は、従来モデルから進化したクラウドWiFiルーターとして、通信速度・安定性・使いやすさのバランスに優れています。営業や出張、イベント、工事現場など多様な法人シーンで活躍できる点は、大きな導入メリットといえるでしょう。
一方で、5G非対応やバッテリー稼働時間、データ容量の制限といった注意点も存在します。導入を検討する際は、自社の業務スタイルに合った運用方法や補完策を検討することが欠かせません。
総じてNA02は「すぐに使える手軽さ」と「法人が求める安定性」を兼ね備えた端末です。コストと利便性のバランスを重視する企業にとって、導入を検討する価値の高い選択肢といえるでしょう。