Zoomを利用したWeb会議で画面がフリーズしたり音声が途切れたりした経験はありませんか?
快適に会議を行うためには適切なWi-Fi環境が不可欠です。
本記事ではZoomをスムーズに利用するために必要なWi-Fiの速度の目安と選び方、接続トラブルの原因や対策について詳しく解説していきます。
快適なオンライン会議を行うためのポイントをぜひ、チェックしてみてください!
Zoomの会議で回線速度が遅くなる理由
Zoom会議において回線速度が遅くなる原因は、回線環境や接続機器、ソフトウェアの状態など、多岐にわたります。それらの項目について詳しく解説していきます!
回線状況が悪い
回線速度の低下には以下のような原因が考えられます。
- 2.4GHz帯域の通信
- 接続方式IPv4の利用
まず、2.4GHz帯域における通信は5GHz帯域に比べて遠くまで電波が届きやすいのが強みではあるものの、電子レンジなど他の機器の干渉を受けやすいため速度低下が起こりやすいです。
さらに、従来のIPv4では、インターネット接続時に「PPPoE」という仕組みが使われることが多く、ネットワークが混雑すると速度が落ちやすいのが特徴です。一方、IPv6の「IPoE」という仕組みは、データの流れがスムーズで混雑しにくいため、複数人でのZoom会議でも安定して使える傾向にあります。
2.4GHz帯や5GHz帯などの周波数帯域については以下の記事をご参照ください。⇓
PCや接続機器が悪い
回線が関係なく、PCや接続機器であるルーター等のスペックによって回線速度が遅くなることがあります。
PCにおける原因は以下のようになります。
- CPUやメモリ等のスペックが足りていない
- OSのバージョンが古い
スペックの不足はZoomにおいて画面のフリーズや音声の遅延を引き起こします。
接続機器(ルーター)における原因は以下のようになります。
- ルーターの規格が古い
- 同時接続台数が少ない
対応規格が古いルーターは、最新規格のWi-Fi6等に比べて速度や安定性が劣ります。
また、Wi-Fiルーターにおいてはそれぞれ接続台数が設定されており、接続台数を超えると回線速度は遅くなってしまう恐れがあります。
同時接続台数については以下の記事をご参照ください。⇓
Zoomの更新ができていない
複数人でZoom会議を行った際に一部の人の回線速度が遅い場合、Zoomのバージョンが最新になっていないことが考えられます。古いバージョンのままではセキュリティ対策が適用されていなかったり、帯域を多く消費しているかもしれません。定期的な更新を心がけましょう。
その他のソフトウェアが負荷になっている
Zoomを利用している際に他のソフトウェアを利用していると、パソコンのCPUやメモリ等の消費が大きくなってしまうため回線速度が遅くなってしまいます。ソフトウェアの見直しを定期的に行いましょう。ソフトウェアの例として以下のようなものが挙げられます。
- ゲーム
- クラウド同期アプリ
- 動画ストリーミングサービス
Zoomを快適に利用するのに必要なWi-Fiの速度の目安
これまで回線速度が遅くなる原因について解説してきました。
ところで、実際にZoomの利用に最適なWi-Fiの速度はどれぐらいなのでしょうか?
様々な状況を想定した上でそれぞれ解説していきます!
回線速度を調べる方法
まず始めに、Wi-Fiが現時点でZoomの利用に最適な条件を満たしているかを調べてみましょう。
回線速度は、SPEED TESTを利用することで調べることが可能です。
ぜひ、快適な回線速度の実現にお役立てください!
1.以下のボタンを押してください。
2.「GO」をクリックしてください。
また、「Change Server」から接続するサーバーを変更することも可能です。
3.以下のような結果が表示されます。
結果における「DOWNLOAD」は「下り(ダウンロード)速度」のことを指し、「UPLOAD」は「上り(アップロード)速度」のことを指します。
「上り」、「下り」についての詳しい解説は以下の記事をご参照ください。⇓
1対1の会議の場合
1対1のZoomにおける会議では比較的低い帯域で利用できます。
以下に画質別の推奨される帯域をZoom MeetingとZoom Contact Centerの二つのサービスにおいて紹介します。
画質 | Zoom Meeting | Zoom Contact Center | ||
上り | 下り | 上り | 下り | |
高画質 | 600 kbps | 600 kbps | 600 kbps | 600 kbps |
720p HD | 1.2 Mbps | 1.2 Mbps | 1.2 Mbps | 1.2 Mbps |
1,080p HD | 3.8 Mbps | 3.0 Mbps | 3.8 Mbps | 3.0 Mbps |
要求される帯域は低いですが、PCのスペック等を考慮すると余裕を持った速度を確保することが重要です。
複数人の会議の場合
複数人のZoomにおける会議では参加人数に応じて必要な帯域が増加します。
以下に同様に推奨される帯域を紹介します。
画質 | Zoom Meeting | Zoom Contact Center | ||
上り | 下り | 上り | 下り | |
高画質 | 1.0 Mbps | 600 kbps | 1.0 Mbps | 600 kbps |
720p HD | 2.6 Mbps | 1.8 Mbps | 2.6 Mbps | 1.8 Mbps |
1,080p HD | 3.8 Mbps | 3.0 Mbps | 3.8 Mbps | 3.0 Mbps |
ルーターにおける同時接続台数に注意することも重要です。
画面共有を行う場合
画面共有においてはアップロードの速度が重要となります。
アップロードの速度については余裕を持ちましょう。
以下に推奨される帯域をビデオサムネイルの有無から紹介します。
ビデオサムネイル | Zoom Meeting | Zoom Contact Center | ||
上り | 下り | 上り | 下り | |
あり | 50~150 kbps | 50~150 kbps | ||
なし | 50~75 kbps | 50~75 kbps |
ビデオサムネイルとは?
ミーティング中に他の参加者の顔や映像を小さく表示した画像のことで、現在の発言者を強調したり、全員の表情を一覧で確認したりするのに使われます。
参考:https://support.zoom.com/hc/ja/article?id=zm_kb&sysparm_article=KB0060761
他のWeb会議ツールのWi-Fi速度の目安
Web会議ツールは「Zoom」の他に、「Google Meet」、「Microsoft Teams」などがあります。これらの推奨帯域を「Zoom」と比較していきます。
各Web会議ツールにおいて推奨帯域が示されている状況が異なるのでご注意ください。
- 「Google Meet」
以下に複数人の場合と1対1の場合の推奨帯域幅を示します。
「Google Meet」では「Zoom」に比べて、1対1の会議に必要な帯域幅が大きい傾向にあるため注意が必要です。
規模 | 上り | 下り |
複数人 | 1.0 Mbps | 1.3 Mbps |
1対1(720p) | 1.7 Mbps | 1.7 Mbps |
1対1(1,080p) | 3.6 Mbps | 3.6 Mbps |
- 「Microsoft Teams」
以下に複数人の場合と1対1の場合の推奨帯域を示します。
「Microsoft Teams」では「Zoom」に比べて、必要な帯域幅が小さい傾向にありますが、複数人における下りは大きいため、注意が必要です。また、「Microsoft Teams」では帯域幅が不十分な場合、オーディオ品質が優先されます。
規模(1,080p) | 上り | 下り |
複数人 | 2.5 Mbps | 4.0 Mbps |
1対1 | 1.5 Mbps | 1.5 Mbps |
Zoom会議の通信速度改善案
これまで、Zoom会議の通信が遅くなる原因や必要な推奨帯域について解説してきました。
では、実際に推奨帯域にするにはどうすればよいのでしょうか?
これからじっくりと解説していきます!
画質・音質を下げる
これまでに解説してきたように、画質を720pから1080pに上げることで、推奨帯域は大きくなります。
また、画質と同じように音質についても高音質にすることで、同様に大きくなります。
この方法は費用がかからないため、手軽に行うことが可能です。
画質を下げても画面がフリーズするようなら音声だけにすることで通信が安定することもあります。
アプリのキャッシュを削除する
Zoomをパソコンにインストールした後に、長く使用するとアプリ本体にキャッシュが蓄積してしまいます。蓄積すると動作が重くなり、通信速度に影響を与えてしまいます。
キャッシュを削除することで、不要なデータがクリアされ、アプリの動作が軽くなります。
定期的にキャッシュの確認をしましょう。
Zoomにおけるキャッシュ削除方法は以下をご参照ください。
キャッシュとは?
コンピューターやWebサイトにおいて、一度アクセスしたデータや処理結果を一時的に保存しておく仕組みのことです。この仕組みを利用することで、同じデータにアクセスする際に、元の場所から所得し直す手間が省けます。
ルーターをスペックが高いものに変更する
スペックの高いルーターに替えることによって、通信速度を速くすることができます。
導入費用は高いですが以下のようなメリットがあります。
- 同時接続台数が多いため、複数端末を接続しても通信速度が下がりにくくなる。
- 広範囲に電波が届くため、全員が速い通信速度を利用できる。
- 最新規格にも対応しているため、速い通信速度を利用できる。
最新ルーターのメリットについては以下の記事をご参照ください。⇓
Zoom以外の他のアプリを起動しない
Zoom会議中に他のアプリが稼働していると、帯域やPCのリソースが消費されます。
動画ストリーミングやクラウド同期アプリを停止することで、Zoomに必要な帯域を確保できます。
タスクマネージャーなどで不要なプロセスを終了させ、Zoomを優先的に稼働させましょう。
Zoomを最新版に更新する
Zoomを最新のバージョンにすることで通信の最適化やバグ修正が施されます。
アプリの設定から「更新の確認」をするなどして最新版にアップデートをするようにしましょう。
回線を変更する
どうしても通信速度が改善しない場合は、回線自体の変更を検討することも必要です。
回線の変更をすることで会社の通信の土台が改善され、快適なZoom会議が行えるでしょう。
回線を選ぶ際のポイント
回線の変更は通信速度を改善することがありますが、具体的にどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
法人向け回線を選ぶ際のポイントをこれから解説していきます!
コストを比較する
法人で回線を選ぶ際に最初に検討されるのは費用面でしょう。
コストとして考えられるのは初期費用、工事費用、月額費用などが挙げられます。
コストと通信費用は比例の関係にあることが多いですが、費用を抑えすぎると通信速度が遅くなる可能性があります。業務に支障が及ばないように注意しましょう。
費用面については以下の記事をぜひご参照ください!⇓
法人用のサポート体制を比較する
法人向け回線を利用するにあたってサポート体制は重要なポイントといえるでしょう。
専用のサポート窓口が設けられている事業者を利用することで障害発生時の迅速な対応が可能となります。以下の内容について確認するようにしましょう。
- サポート内容
- 対応時間
新しい接続方式に対応しているか比較する
最新の接続方式であるIPv6(IPoE方式)に対応しているかを確認することも重要です。
現在最も使用されているIPv4(PPPoE方式)と比べて割り振られるIPアドレスの数が少ないため、複数人の通信においては通信速度にも大きな違いが生まれる可能性があります。
必要な帯域に応じて接続方式の変更も検討しましょう。
法人向けモバイルWi-FiならロケモバWi-Fi
これまでZoomを快適に利用する方法について解説してきました。
では、実際にどのようなサービスを契約するのが良いのでしょうか?
1つの選択肢として、「ロケモバWi-Fi」の検討をお勧めします。
「ロケモバWi-Fi」の主な特徴は以下の通りです。
- 端末レンタル料金が0円
- 月額料金1,880円(税抜)~の業界最安級価格
- 故障に対する保証サポートを用意
- 端末1台で3キャリアに対応しており、全国対応
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まとめ
Zoomを快適に利用したい場合、利用する画質、状況によって要求される通信速度は異なります。求められる条件を明らかにした上で、導入する回線や改善策を考えることが重要になるでしょう。
本記事が貴社のZoom利用を快適にする一助になれましたら幸いです。